昨年度の2018年9月〜2019年2月の半年間、長野県北佐久郡立科町と東京の二拠点生活を体験しました。
【きっかけは「ときどきナガノ」】
2017年6月ごろにネットでたまたま「ときどきナガノ」という「長野に来て仕事して、少し観光やグルメも楽しみ、長野県を知ってもらう」ことを目的にした制度があることを見つけ、「面白そうだな!」と応募したのが長野県とご縁をいただくことになったきっかけで、それまでは長野県に来たことがあるのは学生時代にスキーで数回、友人のBBQキャンプイベントに数回参加した程度で長野県とは縁もゆかりも無い人間でした。
8年前にサラリーマンを辞めてフリーランスとして独立し、テレワークが可能なワークスタイルを志向して仕事を選んでいたこともあり、このような制度に乗っかることに対してハードルが低かったこともありますが、やるからには何か残したいと考えて半年ほど活動し、ときどきナガノの制度を利用して10回ほど長野入りさせていただき、コワーキングスペースiitocoさんやHammockさんとコラボして東京のIT関係者を集めての交流イベントを実施したり、長野県のIT業界団体「長野県情報サービス振興協会」「長野市ICT産業協議会」と交流させていただき、協業の足場作りを開始することができました。
ただ、この時は「東京都のアクセスの良いエリアということで佐久平」「長野県内でビジネスを行うのに中心地と考えられるエリアということで長野市」を中心に活動していたので、この時はまだ立科町については名前も場所も知りませんでした。
【そして、翌年「おためしナガノ」に…】
ときどきナガノが終わった後、県職員の方から「将来の移住や二拠点生活を試すことができる「おためしナガノ」という制度がある」ことを聞き、ときどきナガノと比べると「月あたり何日間以上長野に住む必要がある」といったハードルの高さはあるものの、そのくらいの条件であれば「ときどきの時から既にクリアしていた」こともあり、昨年いただいた長野の皆さんとのご縁を更に深くするための活動をやりたかったこともあって、銀座NAGANOで行われた「おためしナガノ説明会」に参加しました。
【立科町、ハンパ無いって!】
説明会では「おためしナガノ」の制度で居住できる候補地の自治体の方がいらっしゃっていて各地域の特色のご紹介や、既に移住して事業を営んでる先輩諸氏のお話を聞かせていただきました。
正直なところ、それまでは「昨年ご縁を作った場所が有力候補」と考えておりましたし、多くの自治体の方のご紹介が「環境の良さ」を中心にアピールされていて自分のように「移住ではなく二拠点生活を検討した場合、それぞれのエリアでビジネスができないとその地域に根を張る決定打にならない」と考えていた人間にとっては「ときどきナガノ」で得られた考え方を軌道修正するほどの魅力を感じることができませんでした。
ところが、立科町のご紹介では「おためしテレワーク@立科」という制度について「用意するもの、パソコン&布団&あなた…以上」という初期投資がほぼゼロ円で試せる環境に加えて景観などの環境の良さをアピールするという他の市町村とは大きく異なる内容で「新しいエリアでビジネス立ち上げるには粘り強く踏ん張れるようコストを極限まで絞って進める」ことを今までやってきた私にはこのプレゼンがグサッと刺さり、おためしナガノに応募もしてなければ採択もされてないにもかかわらず、おためしの前に「セルフおためし@立科」をやってみようと考え、早速現地入りしました。
そして、現地でテレワークをやってみて温泉入って食事して散策して「これなら、立科町でも活動ができる。都心からも思ったほど遠くない、しかも住環境が良い。」と考え、第一希望エリアを迷わず「長野県北佐久郡立科町」と書いて「おためしナガノ」に応募、無事採択いただくことができました。
【「おためしテレワーク@立科」やってみた】
(1)仕事環境
立科町ふるさと交流館「芦田宿」を使わせていただきましたが、wifiや複合機でのスキャン作業など全て無料で使うことができます。
私は東京の客先にある機器にリモート接続したり、ベトナムのホーチミンにあるパートナー企業とのリモートミーティングやVPN接続が必要なのですが、どれも業務に支障がない速度で快適に仕事をすることができました。
また、立科町はテレワーキングで街を活性化させる取り組みも実施しており、地元のテレワーカさんたちと連携した事業推進に関しても大きな可能性を感じることができました。
(2)住環境
1LDKの立科町移住体験住宅を無料で利用できます。(布団のみ自分で持ち込む必要がありますが、私は近所のコメリで布団セットを五千円くらいで購入しました)
田舎の住居ということで「夏は暑く冬は寒いようなところかな?」と勝手に想像してましたが、とても新しく綺麗で、冷暖房にwifi完備で一人で利用した私には広すぎるくらいの部屋でカナリ贅沢な環境でした。また、仕事場所までは徒歩10分、ツルヤ(スーパー)やセブンイレブン、飲食店などが徒歩5分圏内に存在するという最高の立地環境で、電動アシスト付き自転車も無料で貸していただけるので、歩くと少し時間がかかってしまう温泉にも行くことができました。
立科町ふるさと交流館「芦田宿」は基本的に残業ができませんが、こちらの住宅のwifiも十分な速度のため、残業や休日業務は住居でやっておりました。
(3)休日の過ごし方
立科町でのメインの活動エリアは里山エリアと呼ばれるところなのですが、バスを利用すると白樺高原や蓼科山があるリゾートエリアに30分ほどで行くことができ、四季を通して壮大な景色やアクティビティ、グルメなどを堪能することができます。
私もとにかく公私共々多くのインプットを得ようと、いろんなところに行ってきました。
【せっかくなので、都内の同業者にも立科町を紹介した】
「こんな素晴らしい環境を一人だけで楽しむのはもったいない、ご恩返しや今後のためにも東京の仲間に立科町を紹介せねば!」と考え、地元の皆さんの協力も得て立科町での交流イベント「Jasipa交流委員会 in 立科町 〜 C’mon Baby Tateshina 〜」を立科町ふるさと交流館「芦田宿」で開催しました。
【感想】
今回のおためしテレワーク@立科のおかげで、立科町の存在を知ることができ、立科町を中心に近隣エリアの皆さん含めたご縁ができ、更に立科町を中心にしたエリアでビジネスができる可能性を高めることができたと考えております。
また、長野県および立科町の制度や皆さんのサポートのおかげで、自身の人件費以外のコストをほぼ使うことなく、ここまで事業を進めることができました。
あとは、具体的なプロジェクトを県外から持ち込み、自分も長野県の皆さんもwin-winとなれるよう事業を継続していきたいと考えております。
●立科町を中心に東信地区のテレワーカーさんと連携すべく、東御市商工会とコワーキングスペース「えべや」のご協力でこのようなセミナーもやらせていただきました。